はじめに:元本割れは「期間」と「行動」で左右される
結論:つみたてNISAのようなインデックス投資でも、短期では30〜40%の含み損が起こり得ます。ただし15年以上の運用と積立継続を守れば、歴史的に元本割れ確率は大幅に下がります。
データで見る元本割れ確率
運用期間 | MSCI ACWI (1970〜) | S&P500 (1950〜) | 主なマイナス期 |
---|---|---|---|
5 年 | 27% | 25% | ITバブル崩壊 / リーマン |
10 年 | 11% | 9% | リーマン直撃組 |
15 年 | 3% | 2% | 70年代スタグフ |
20 年 | 0% | 0% | — |
※1960 年代以降のローリングリターンで計算。配当再投資ベース。
30代で元本割れしやすい 3 つのパターン
① 期間が短い
貯蓄目的が 3〜5 年先だと、市場サイクルの下落局面に当たる確率が高くなる。
② 積立を途中で止める
暴落時に積立停止 → 平均買付単価が下がらず含み損が長期化。
③ テーマ型や高コストファンドへ乗り換え
手数料とパフォーマンスのブレが大きく、指数を下回りやすい。
元本割れを防ぐ 4 つの対策
- 運用期間15年確保 ─ 統計的に元本割れ確率が 3%未満に。
- ドルコスト平均法を継続 ─ 暴落時こそ買付を止めない。
- 手数料 0.2%未満のインデックスに集中。
- 含み損▲15%で追加投資する“バーゲンルール”を事前設定。
シミュレーション:▲30%暴落から何年で回復?
年利リターン | 回復年数 |
---|---|
年利 3% | 約 13 年 |
年利 5% | 約 8 年 |
年利 7% | 約 6 年 |
長期で見れば複利が“時間”に勝つことがわかります。
よくある質問
Q. 15 年以内に使う予定資金はどうする?
A. 生活防衛費+目的別貯蓄(教育費・頭金など)は現預金または短期債券で分けて運用しましょう。
Q. 含み損が 30%超えたら売るべき?
A. 過去の暴落でも売却した投資家の 60%が 5 年後に後悔。追加投資または放置が合理的です。
まとめ:元本割れを恐れるより“時間に働かせる”
- 15 年以上 × インデックス継続で元本割れ確率はほぼゼロ
- 暴落はバーゲンチャンス—追加投資で平均買付単価を下げる
- 手数料と感情コストを最小化し、時間=最大の味方にする
次のアクション:運用期間の目標年数を決め、含み損ラインに応じた追加投資ルールをノートに書き出しておきましょう。
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